子どもが絵本で最初に夢中になったのは、物語ではなく「色」でした。
青と黄色が混ざって緑になる。それだけのことを、何度もせがまれます。今回は、色そのものがテーマの絵本を4冊紹介します。
乳幼児から年長まで、どれも年齢を選ばずに楽しめています。
色がテーマの絵本4選
あおくんときいろちゃん
作:レオ・レオーニ/訳:藤田圭雄
あおくんときいろちゃんは大の仲良しです。
ある日、留守番をしていたあおくんが、きいろちゃんの家へ遊びに行きます。
やっと見つけて抱き合うと、ふたりは混じりあって緑になってしまいました。
動物も植物も出てきません。主人公はふわふわした「まる」です。
それなのに、わが家の子どもたちはあおくんときいろちゃんが大好きでした。何度も読んだ1冊です。
色のまるでしかないのに、キャラクターとして愛着がわく。これがこの絵本の不思議なところです。
英語版もあります。原題は『little blue and little yellow』。読み聞かせに慣れてきたら、同じ話を英語で読むのも楽しいです。
対象年齢の目安:1歳ごろから
いろの本 (はじめての発見)
絵:ピエール=マリ・ヴァラ、シルベーヌ・ペロル/訳:手塚千史
色つきのフィルムが挟み込まれた仕掛け絵本です。
ページをめくると、フィルムが重なって「青と赤は紫」「黄色と赤は茶色」に変わります。
「色が変わった!」
子どもたちがいちばん大きな声を出したのが、この本のフィルムをめくった瞬間でした。
説明ではなく、目の前で色が変わる。それが子どもには一番わかりやすいようです。
描かれている花や動物も色鮮やかで、見ているだけでも楽しめます。
しっかりした厚紙で作られているので、小さい子が多少乱暴にめくっても安心です。
対象年齢の目安:2歳ごろから
6つの色
作:とだこうしろう
1匹のへびが、赤・青・黄の「まる」を食べます。
おなかの中で色がぐるぐる混ざって、出てくるのは6つの色。
わが家の子どもたちは、この「出てくる」場面がとにかく面白かったようです。いろんな色のうんちが次々に出てくるのですから、笑わないほうが難しい。
面白がっているうちに、ページをめくる前から「次は○○色!」と予想して言うようになりました。
赤と青を食べたら次は何色か。子どもなりに考えて答えを出しています。
使われているのは6色だけ。線もへびもとてもシンプルです。
だからこそ、色そのものに目がいきます。1985年から読み継がれているのも納得の1冊で、わが家でもいちばん長く読みました。
対象年齢の目安:2歳ごろから
いろいろいろのほん
作:エルヴェ・テュレ/訳:谷川俊太郎
これだけ、読み方がまったく違います。
指で色を押す。本をゆする。傾ける。そうすると、次のページで色が混ざったり、こぼれたり、明るくなったりしています。
読み聞かせというより、絵本と遊んでいる感覚に近いです。
絵本はどうしても受け身になりがちですが、この1冊は子どもが自分から手を出します。気がつくと、絵本に手を重ねていました。
しかも、乳幼児だけの本ではありません。年長さんでも十分に楽しめます。仕掛けの理屈がわかる年齢のほうが、かえって面白がるところがあります。
訳は谷川俊太郎さん。言葉のテンポも心地よいです。
対象年齢の目安:1歳ごろから年長まで
見る絵本と、参加する絵本
4冊は同じ「色の絵本」ですが、役割が違います。
物語で伝えるのが『あおくんときいろちゃん』と『6つの色』。色が混ざることを、お話として受け取ります。
目の前で見せるのが『いろの本』。フィルムをめくった瞬間に色が変わるので、言葉での説明が要りません。
自分でやるのが『いろいろいろのほん』。指で押して、ゆすって、混ぜます。
わが家では、この順番で読み進めたわけではありません。ただ、結果として「聞く→見る→やる」と体験が広がっていきました。
どれも役割が違うだけで、優劣はありません。4冊とも自信をもっておすすめできます。
そのうえであえて最初の1冊を挙げるなら、わが家は『いろいろいろのほん』です。
理由は、子どもが自分から手を出すから。色が混ざることを、説明ではなく自分の指で確かめられます。
ここを通ったあとだと、『あおくんときいろちゃん』や『6つの色』の物語も入りやすくなる気がします。
年齢の幅が広いのも大きいです。きょうだいで一緒に楽しめる絵本は、そう多くありません。
まとめ
色の絵本を読んできたおかげか、子どもは絵の具で色を作るのが大好きになりました。
赤と青を混ぜて紫にする。そこに水を足すと、薄くなったり濃くなったり。実験のように、何度も試しています。
これが小学生になった今でも続いています。
むしろ以前より、色の微妙な違いに興味を持つようになりました。
100色の折り紙もお気に入りです。似た色がずらりと並んでいるところが面白いようです。
絵本のなかで「混ざると変わる」を見たことが、絵の具や折り紙のほうへつながっていったのかもしれません。
読み聞かせの効果は、すぐには見えません。数年たってから、思わぬところで顔を出します。
これはわが家の一つの見方です。気になった1冊から試してみてください。




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