幼いうちから、算数や数に親しんでほしいですよね。
個人差はありますが、3歳になるころには1、2、3の数の概念が理解できてくるそうです。一度火がついたら、どんどん色んなことに興味が出てきます。
わが家でも、ドリルはまだ早いけれど何か始めたい…というときに頼ったのが絵本でした。絵本は数字が視覚化されているので、とても刺激になるようです。実際、この記事で紹介する『たすひくねこ』は、こちらが何も言わなくても「もう1回」と何度も読むのをせがんでくるほどのお気に入りになりました。
この記事では、実際にわが家で読み聞かせて手応えのあった算数・数がテーマの絵本5冊と、年齢別の選び方、足し算絵本の使い方を紹介します。
算数絵本の選び方|3歳・4歳・5歳の年齢別の目安
算数絵本といっても、「数を数える」から「足し算・引き算」まで段階はさまざま。年齢に合わないものを選ぶと、子どもが数字ぎらいになるきっかけにもなりかねません。わが家の経験も踏まえた目安がこちらです。
| 年齢 | できること | 合う絵本のタイプ | この記事の該当書 |
|---|---|---|---|
| 0〜2歳 | 「いっぱい」「もっと」の感覚 | 数が絵で増えていくのが見える本 | はらぺこあおむし |
| 3歳ごろ | 1〜10を数える・数唱 | 数えたくなるストーリー絵本 | たすひくねこ/100かいだてのいえ |
| 4歳ごろ | 数の比較・仲間分け | 考える系の知育絵本・さがし絵 | はじめてであうすうがくの絵本/1001ぴきの虫をさがせ |
| 5歳〜 | 10より大きい数・簡単な足し算 | 大きい数や式が出てくる本 | たすひくねことひよこ団(続編)/はじめてのたしざん |
大事なのは、同じ絵本でも年齢によって楽しみ方が変わること。『たすひくねこ』はわが家では最初「数字を言わせて慣れさせる」使い方でしたが、成長すると足し算の絵本として読み直せます。『100かいだてのいえ』も、初めは生き物さがし、慣れてきたら階数の数字を読む係を子どもに任せる…と、1冊で長く使えます。
算数・数がテーマのおすすめ絵本5選
はらぺこあおむし(対象年齢の目安:0歳〜)
「おや、はっぱのうえに ちいさなたまご」
たまごからかえったあおむしはおなかがぺこぺこ。月曜日にリンゴを1つ、火曜日にナシを2つと、どんどん食べていきますが…
言わずと知れた大定番ですね。それぞれの食べ物に、あおむしが食べた丸い穴があいていて、子どもは穴をのぞいたり指を入れたりと、しかけでも遊べます。曜日ごとに食べ物が1つずつ増えていくので、視覚的に「数が増える」のが分かるつくりです。
エリック・カール氏の鮮やかな配色は、まだおはなしできない赤ちゃんでも見ているだけで楽しめます。初めて数にふれるのにぴったりの、絶対に家に置いてほしい1冊。
「はらぺこあおむし」は横展開できるのも強み
わが家がこの絵本を定番としておすすめする理由は、絵本の外への広がりです。
- 歌・動画がある:「はらぺこあおむし」には歌があり、動画も公開されています。絵本で覚えた数を、歌でもう一度なぞれます
- 英語版(The Very Hungry Caterpillar)がある:原書は英語。数字と一緒に one, two, three… と英語の数にもふれられるので、数の学びから英語への入口にもなります
1冊の絵本が「数→歌→英語」とつながっていくのは、世界的な定番ならではの横展開です。
『はらぺこあおむし』エリック・カール 作/もり ひさし 訳(偕成社)
たすひくねこ(対象年齢の目安:3歳〜)
ある日5匹のねこたちが、おたからの地図を見つけたところから物語は始まります。
「このかみは なんだにゃー?」
どんどん仲間のねこが増えていき、総勢10匹でお宝さがしの冒険へ。しかし冒険にアクシデントはつきもので、ねこたちはどんどん脱落していってしまい…無事お宝にたどり着けるのか…!?
わが家でいちばん「効いた」算数絵本がこれです。 こちらが何も言わなくても、子どものほうから何度も読むのをせがんでくるほどのお気に入りになりました。読みながらページのねこを指さして数字を言わせる、という使い方で、遊び感覚のまま数字に慣れていけました。
ねこが増えたり減ったりするたびに「5+2=7」「10−1=9」と式も出てくるので、数唱の次の段階=足し算・引き算の入口としても使えます。「ひき」「ぴき」の助数詞が自然に身につくのもいいところ。
物語と算数が地続きになっている絵本です。数字に興味がない子でも、ねこたちの冒険だけで十分楽しめますよ。こちらは別記事で詳しくレビューしています。→好きになる!絵本『たすひくねこ』で子供が楽しく算数を学ぶ
続編『たすひくねことひよこ団』で20までの数へ
10までの数に慣れたら、続編の**『たすひくねことひよこ団』へ。こちらは20までの数字が登場する**ので、1作目を卒業した子のステップアップにちょうどいい難易度です。同じねこたちが出てくるので、子どもは続きものとして自然に手に取ってくれます。
無料の「ねこねこさんすうプリント」で絵本の外でも遊べる
出版社(マイクロマガジン社)の公式サイトでは、この絵本のねこたちと一緒に算数を学べる「ねこねこさんすうプリント」やすごろく・めいろが無料ダウンロードできます。絵本を気に入ったら、プリントに進むと学びがもう一段深くなります。ドリルを買う前のお試しにもちょうどいいですよ。
『たすひくねこ』『たすひくねことひよこ団』にわ 作/大迫ちあき 監修(マイクロマガジン社)
1001ぴきの虫をさがせ!(対象年齢の目安:4歳〜)
緻密な絵のなかに、1001匹もの虫たちが隠れています。
「10ぴきのアリはどこにいるかな…」と、さがす→見つける→数えるが1ページで完結する絵本。発見する喜びと数えるトレーニングが同時にできる構成です。
正直にお伝えすると、うちの子はこの絵本にはあまりハマりませんでした。 さがし絵より、お話のある絵本のほうが好きなタイプだったようです。それでもおすすめに入れたのは、虫好きの子ならとことんハマる絵本だから。世界中の珍しい虫が生息環境ごとに描かれていて、数を数えながら虫にも詳しくなれます。お子さんのタイプ(お話派か、図鑑・さがし絵派か)で判断してみてください。
持ち運びに便利なポケット版はお出かけ用にも。
『1001ぴきの虫をさがせ!』エマ・ヘルブラフ 作/テリ・ガウアー 絵/荒木文枝 訳(PHP研究所)
はじめてであうすうがくの絵本1、2、3(対象年齢の目安:4歳〜)
こちらは物語ではなく、絵を見ながら数学的思考を学びとる知育絵本です。「なかまはずれ」「じゅんばん」「せいくらべ」など、計算の前にある**「考え方」そのもの**を、美しい絵で体験できます。
正直に言うと、わが家ではこの絵本、親のほうがテンションが上がりました。 安野光雅さんの繊細な絵は、お部屋に飾っておきたくなるほど。子どもの知育絵本でありながら、大人が眺めても飽きない完成度です。
出版社の対象年齢は4歳から。「何歳から?」と迷う方が多い絵本ですが、4歳ごろの「なんで?どうして?」が増える時期に合わせるのがおすすめです。数学的センスだけでなく、知的好奇心を高めてくれる一冊。全3冊のセットもあります。
『はじめてであう すうがくの絵本』(全3冊)安野光雅 作(福音館書店)
100かいだてのいえ(対象年齢の目安:3歳〜)
100階建ての家のてっぺんに住む「だれか」から手紙をもらったトチくんが、10階ごとに違う生き物が住む家を1階からのぼっていくお話。本を縦に開くという仕掛けで、家の高さがそのまま絵本の迫力になっています。
わが家とこの絵本の出会いは、駅の待合室でした。 谷川駅の待合室に文庫コーナーがあり、そこで手に取ったのがきっかけで子どもが夢中に。結局、シリーズを全種類集めました。どれも好きで甲乙つけがたいのですが、10階ごとに登場する生き物が替わり、見開きにも工夫があるので、何度読んでも飽きません。周りの子を見ていても、このシリーズは本当に「みんな好き」な絵本だと思います。
実はこの絵本、作者のいわいとしおさんが「娘さんが算数の桁上がりにつまずいたこと」をきっかけに生み出したもの。1階から100階まで数字がずっと並んでいるので、読み聞かせているだけで10のまとまり・大きな数の感覚が自然に入ってきます。10まで数えられるようになった子の「その先」に、これ以上の絵本はなかなかありません。
シリーズは『ちか』『うみ』『そら』『もり』『ぬま』と現在6作。子どもの好きな生き物や世界観で選べるのも、全部集めたくなる理由です(累計427万部というのも納得)。
『100かいだてのいえ』いわい としお 作(偕成社)
足し算・引き算は「式」より先に「お話」で
「足し算 絵本」を探している方に、わが家の経験からひとつだけコツを。
式を教えるより先に、物語の中で「増えた・減った」を体感させるのが近道でした。『たすひくねこ』なら、ねこが仲間になれば増える、脱落すれば減る。子どもは式を覚えているのではなく、お話の展開として「5匹に2匹きたら7匹」を覚えます。
その状態で、式の出てくる絵本に進むと、「もう知ってることが式になってる!」という順番になり、算数の入りがスムーズです。
式の出てくる絵本としては、まついのりこさんの**『はじめてのたしざん』(偕成社)**が現在も販売されています。くいしんぼうの「たしざんおじさん」が食べ歩くストーリーで、たし算の基本の考え方が身につく構成です。
日常でも「みかん2個とったら残りいくつ?」のように、絵本のフレーズを借りて声をかけると効果的でした。
絵本とあわせて使いたい、数遊びのアイデア
絵本で数字への興味に火がついたら、手を動かす遊びにつなげるとさらに定着します。
- 『たすひくねこ』の無料さんすうプリント・すごろく(前述):絵本と同じキャラクターなので子どもがすんなり入れます。まずはここから
- 『100かいだてのいえ』の階数読み係:読み聞かせのとき「10、20、30…」の階数を子どもに読んでもらうと、10とびの数え方の練習になります
おもちゃ選び全般については、こちらの記事もどうぞ。→厳選!幼児期に長く使える定番知育キッズおもちゃ3選
よくある質問
Q. 算数絵本は何歳から? 数の絵本自体は0歳から(はらぺこあおむしなど)。「1、2、3」と数える楽しさが分かるのは3歳ごろ、足し算の概念は5歳前後が目安です。ただし個人差が大きいので、子どもが数字を指さし始めたらがサインです。
Q. 子どもが数字に興味を示さないときは? 数字を教えようとせず、お話として楽しむだけでOK。『たすひくねこ』はわが家でも最初は「ねこがかわいい絵本」でした。何度も読むうちに、数字のほうから子どもに近づいてきます。
Q. ドリルはいつから? 絵本→無料プリント(ねこねこさんすうプリントなど)→ドリルの順がおすすめ。絵本の段階で「数=楽しい」ができていれば、ドリルへの移行もスムーズです。
まとめ
幼児期の学びは大切。まだドリルをさせるには早いけれども、子どもに学びの機会をつくりたい。そんなとき、絵本はとても大事な味方になってくれます。
- 0歳〜:はらぺこあおむしで「数が増える」を目で楽しむ
- 3歳〜:たすひくねこで数唱→足し算の入口へ(わが家のいちばんのおすすめ)/100かいだてのいえで大きな数の世界へ
- 4歳〜:1001ぴきの虫をさがせ/はじめてであうすうがくの絵本で「数える・考える」を深める
- 5歳〜:たすひくねことひよこ団(20までの数)や、はじめてのたしざんで式の世界へ
保育士でもなければ幼児教育のプロでもないけれど、絵本はどんな人でも使える最強のツール。読み聞かせをきっかけに、子どもが算数好きになってくれたら嬉しいですね。




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